「投資信託」と「ETF」について比較していきます。どちらも分散投資ができる便利な金融商品ですが、それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解することで、自分に合った投資方法を見つけることができます。投資信託については、別の記事で解説しているのであわせて参考にしてみてください。
投資信託とETFの基本的な違い
投資信託
| 投資信託（非上場） | ETF（上場投資信託） |
ETFは上場投資信託のことで、広義の意味では投資信託になります。上場しているので株式のようにリアルタイムでの取引が可能となっています。
次の表にそれぞれの特徴をまとめました。
| 項目 | 投資信託 | ETF（上場投資信託） |
|---|---|---|
| 販売会社 | 証券会社、銀行、郵便局など | 証券会社 |
| 取引価格 | 1日1回算出される基準価額 決まるまで価格が分からない | リアルタイムで変動している市場での時価 |
| 最低購入金額 | 100円（証券会社による） | 1口あたりの取引価格（1～10万円が多い） |
| 手数料 | 販売会社や銘柄によって異なる | 販売会社や銘柄によって異なる |
| 保有費用 | 信託報酬（ETFより高い傾向にある） | 信託報酬（投資信託より低い傾向にある） |
| 分配金の再投資 | 自動再投資可能 | 自動再投資できないことが多い |
| NISA | つみたて投資枠、成長投資枠どちらでも購入可能 | 成長投資枠で購入可能 つみたて投資枠でも購入可能だが数が少ない |
リアルタイム取引方法
- 指値：自分が希望する価格を指定して注文する方法
- 指定した価格に達しないと取引が成立しない
- 成行：価格を指定せず現在の市場価格で即座に取引する方法
- 予想以上に高値（買い）や安値（売り）になることがある
代表的な銘柄
投資信託の代表的な銘柄：
- eMAXIS Slim 全世界株式（オール・カントリー）：全世界に分散投資が可能
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)：米国の主要500社S&P500に連動
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド：米国の主要500社S&P500に連動
ETFの代表的な銘柄：
- 国内ETF：
- ＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ ＴＯＰＩＸ連動型上場投信（1306）：日本主要株価指数TOPIXに連動
- ＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経２２５連動型上場投信（1321）：日経平均株価（日経225）に連動
- 外国ETF：
- バンガード・S&P500 ETF（VOO）：米国の主要500社S&P500に連動
- iシェアーズ・コア MSCI 全世界株（ACWI）：全世界に分散投資が可能
- バンガード・トータル・ストック・マーケットETF（VTI）：小型株含む米国株全体に投資
投資信託のメリット・デメリット
メリット：
- 少額から投資が可能で初心者向き
- 自動積立や分配金の再投資が簡単
- 購入や売却の手続きがシンプル
デメリット：
- 手数料が高め（特にアクティブ型）
- 価格が1日1回しか更新されないため、リアルタイムでの取引ができない
ETFのメリット・デメリット
メリット：
- 株式と同様にリアルタイムで売買可能
- 手数料が比較的安く、コストを抑えやすい
デメリット：
- 売買のタイミングを自分で決める必要があるため、初心者にはハードルが高い
- 外国ETFの場合、為替リスクや税金の問題も考慮する必要がある
- 自動再投資ができないことが多いため、再投資は手動で行う必要がある
どちらを選ぶべき？
投資信託を選ぶべき人：
- これからNISAを始める人
- できるだけ手間を減らしたい人
- 少額から投資を始めたい人
ETFを選ぶべき人：
- 少しでもコストを抑えたい人
- リアルタイムで取引したい人
投資信託とETFにはそれぞれメリット・デメリットがあり、自分の投資スタイルや目的に合わせて選ぶことが大切です。これからNISAを始める初心者ならまず投資信託から始めてみて、慣れてきたらETFに挑戦するのが良いでしょう。
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